君はMorpho

□君はMorpho.U
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「この機会でデータを取る。リオ、協力してくれるか?」

「え? はい。喜んで」



ボードの空いてるスペースに“出場者”と書いていたリオが振り返り、微笑む。



「参謀め、上手く抜け出しおって…」

「じゃあ当日、リオちゃんから離れないでね。たぶん大丈夫だと思うけど、変なのに絡まれたら困るし」



心配そうな琴音にリオは苦笑いした。



「大丈夫ですよ。私は」

「ん〜そうね〜…偵察で顔ばれてないなら、いっか」

「…あ。」



リオが声を発した後、すぐに困ったように口を閉じる。

琴音が不審そうにリオを見上げる。



「まさか…リオちゃん…?」

「っ、大丈夫です! あれくらいなら…多分…」



語尾が小さくなる。



「リオ、こっちにおいで?」



幸村に手招きされ、リオはおそるおそる近付く。



「何したんだよぃ」

「…えと…氷帝のレギュラーの方に、テニスコートのことを聞いて…その後自己紹介しちゃいました…」

「「はっ?」」



再びレギュラー一部がフリーズ。



「…たるんどるぞ、リオ!」

「すっ…すみません…」



琴音が深くため息を吐いた。


赤也はムッとしながらリオを見る。



「誰だよ、ソレっ」

「同じ2年の鳳長太郎くん。一緒にいたのは…確か、宍戸さんです。」

「鳳に宍戸か…」

「なんだ、意外と普通の子じゃん。もっと騒がしいやつだと思った〜」



つまんなーいと言って琴音がペンを回す。


顔を見られたくなかったのでは?

と思うリオをよそに、琴音に睨みを利かせるレギュラー一部。







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