君はMorpho

□君はMorpho.T
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そんな私達の話題は当然のことながら半年ほどで消え去った。

まぁ、シングルスを得意としている兄の話題は相変わらず聞こえてはくるが。


そして先日、私は約1年ぶりに日本に帰国した。

テニスに追われ、忙しない日々はたくさんだ。

少しゆっくり学校に通いたい。


この2年間は落ち着いた日々を送り、テニス以上に熱中できることを探してみたい。



(今年の中学生はテニス番組なんて見ないだろうし…)



少し寂しい気もするが、自分を知っている人なんていないと思う。


そんなことを考えながら、リオは学校までの道のりを急いだ。






   ***






今日から新学期が始まる。

リオはこの4月から立海大附属中に通うことになった。

この時期は新しく学年が上がる為、クラス変えがありそれに乗じてリオは転校という形でやってきた。



玄関にある掲示板で自分のクラスを確認し、校内地図を頼りにクラスを探す。



「あ、ここ…」



そんなに時間もかけずに教室を見つけ、できるだけ静かに扉を開ける。

しかしクラス内にはほとんどの生徒がいたせいか、視線が自分に集まるのを感じた。



(う…)



なんとなく居心地が悪くなり、小さくなりながら自分の席を探す。

その時、視界に誰かが立った。

突然のことに驚きつつもその人物を見上げ、リオは目を見開いた。



「やっぱり…リオ?」

「っ、妃芽!?」



目の前にいたのは、小学校の頃ずっと一緒にいた親友。

1年ぶりの再会に、妃芽は嬉しそうに笑いながらリオの手を引いた。







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