君はMorpho

□君はMorpho.2nd
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「なぁ切原、あの美少女知り合い? もしかして彼女?」

「彼女じゃねぇよ、怖いこと言うな。」

「何が怖いんだよ」



怖いのは彼女ではなく彼の方だ。



「えー、美人だし俺狙っちゃおうかな」



その横にいた男子生徒がリオを見ながらそう口走った。

しかし赤也はやや顔色を変え首を横に振った。



「やめとけ。アイツ彼氏いるし」

「へぇ、知ってんの?」

「誰誰?」



身を乗り出して尋ねてくる生徒達に、赤也は一言呟いた。



「うちのぶちょー」

「「……」」



男子生徒達は顔を見合わせた。



「え、あのテニス部部長…?」

「うっそ。い、いろんな意味でそりゃすげぇな…」



その表情に若干の焦りが見え、赤也は「ざまぁみろ」と笑う。

そう簡単に狙えるような存在ではないのだ。


すると赤也の元に会話を終えたリオがやってきた。



「切原くん、今日部活ある?」

「ああ、とーぜん」

「そうだよね」



リオがその話題を出してきたところで、赤也は姿勢を戻してリオを見上げる。



「なぁ、リオは部活どうす―――」

「こんにちは」

「初めましてー!」



赤也の言葉を遮り、左右から先程の男子生徒が両脇からリオに話しかけてきた。

僅かに驚いたリオが目を見張った後、にこりと笑う。



「こんにちは。中岡リオです」

「わざわざありがとう、俺は…」

「邪魔! 今俺がしゃべってただろーが!」



群がる男2人を引き離し、赤也がその間に入り込む。






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