時渡の鬼姫

□銀翼の狩人V
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第18話 超大型巨人






馬を走らせてから数時間後、最初の補給地点に到着した調査兵団は周囲を警戒しながらも休憩を挟んでいた。

そして団長であるエルヴィンの前に仁王立ちするキルアは、殺さんとするばかりの強い視線で彼を睨み上げていた。


2頭の馬をそれぞれ操っていたゴンとキルアは、調査兵団の隊列に追いつくなりクラピカの横に並んだ。

そうしてしまえば、誰も彼らを止めることはできなかった。






「どういうことか説明あるよな」



人を馬鹿にしやがって、と悪態を吐くキルアの肩をクラピカが掴んで引き止める。



「了承をしたのは私だ。すまなかった。勝手に決めてしまって」

「クラピカ、どういうことなの?」



真剣な表情でそう問いかけるゴンに、クラピカは短く息を吐き出すと簡潔に事情を説明した。







クラピカの説明の後、状況を理解したゴンは安堵のため息を吐いた。



「なんだ…てっきりクラピカが危ない目に遭うのかと思って心配してたんだ」

「すまない。だが我々も壁外調査について知ることができると思ったんだ」



人質のことは伏せてそう説明したクラピカだったが、勘の良いキルアには気付かれてしまっただろう。

現に未だエルヴィンのことを睨み付けている。



「ツバキもすっごく心配してたんだ。でもよかったよ」

「ああ、すまなかった。時間も無くてきちんと説明することもできなくてな」

「いいよ。でも実際クラピカは立体機動装置がないんだから、危険なことには変わりない」

「そうだな」



ゴンの言葉にクラピカが苦笑いする。


ツバキを残してきたのは少々心配だが、あの壁の中ならば取りあえずの危険はないだろうと納得させた。






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