小説
□愛なんて知らない
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「雲雀、さん?」
そんな人はもうこの世にはいない。
俺の目の前に血を流して倒れている雲雀恭弥―――。
「なん、で?雲雀さん?嘘でしょ」
嘘―………?
だって
俺が
殺した。
俺、何言ってんの?
だって骸と一緒にいたから。雲雀さんが誰かと恋人と喋っているところなんて見たくなかったんだ。
そうだよ。
俺は悪くない。
悪いのは雲雀さんが骸と一緒にいたからだ。
なのに涙が溢れるのは何故なんだろ?
雲雀さんに
生きててほしかった。
俺が殺した。
矛盾した想い。