「乾杯〜!!」
日常的な音頭とともに、今日も宴が始まった。
いつも通り交わされるグラスと、相変わらずの喧騒。
ただひとつ、いつもと違うものがあった。
辺り一面の、桜。
立ち寄った島が丁度桜の見頃を迎えていたことは、宴好きのクルーにとって格好の理由となった。
旨い酒と美しい桜、そして愛しい・・・
「あ?」
さっきまで隣で飲み食いしていた、俺の可愛い小娘が消えている。
どこいった・・・
きょろきょろと辺りを見回すと、その姿はすぐに見つかった。
他のクルーに酒をついでる。
彼女はそいつに擦り寄って
「ってオイ!!!!!」
酒の入ったグラスを持ったまま、彼女の方へ進む。
「何してやがる・・・」
「お頭ァ!こいつ桜の酒が珍しくて酔っ払っちまったみてぇで!!」
焦って言い訳かましてるそいつの横から、頬を桜に負けじとピンク色に染めた彼女が声を発した。
「シャンクスらぁ!」
勢いよく立ち上がり、そのまま俺の腰に腕を回して抱きつく。
「こっち来い」と彼女を元居たところまで連れていけば、ためらいもなく俺の膝の上に腰を落ち着けた。
「飲み過ぎだぞ、俺以外の奴にべたべたすんな。」
そう言ってぽんぽんと頭を撫でると、叱られてるくせに嬉しそうにこちらを見上げて笑う。
そんな彼女の髪に、ひらりと花びらが一枚舞い降りた。
とってやろうと触れた指先で、そのまま髪をすいてやる。
後頭部まで持ってきた手で頭をこちらへ抱き寄せて
誰も気づかないほど小さくその唇にキスを落とした。
ふにゃりと笑って眠りに落ちた君は
----俺の手中の眠り姫
一生離さねェから、覚悟しとけよ?