■過去拍手■

□○○の秋
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【シャンクス】


「ねーねーシャンクス!!」


さっきから何度この言葉を発しているんだろう私の口は。

この船で同室を使用している船長は、1時間ほど前に顔を真っ赤にして部屋へ戻ってきた。

原因はもちろん飲みすぎ。

そのまま私を手加減なしに抱きしめた後、ふにゃふにゃとベッドへ倒れこんで今に至る。


酔っ払って帰ってくるのはいつものことだけど

ベッドを占領するのは勘弁してもらいたい。

肌寒くなってきたこの季節、さすがにソファで寝ては風邪をひいてしまう。

なので私はシャンクスを起こそうとして、かれこれ1時間近く彼の名前を呼び続けていることになる。


「ねーシャンクス!!ベッド入れてよ!!」


隻腕だなんてことに構いもせず、私は思いっきり彼の肩を揺すぶった。

するとさっきまでぴくりとも反応しなかった体が微かに動いて、

紅い髪が幾筋かかかっている目がゆっくり開かれた。


「なんだぁ、俺が欲しいのか?」




「・・・え?」


にやりと笑ったその顔はやっぱりまだ酔っ払っていて、抱き寄せられて近づいた瞬間に匂いで咽そうになる。


「や、違うよシャンクス!!私もう寝たいから!!」

「大丈夫だ、夜は長い」


そういう問題じゃない!!

反抗の言葉を発しようとしたけど、顔にかかる紅がくすぐったくて身じろいだら言うタイミングを逃してしまった。


----秋の夜長

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