Dream

2010年*元旦企画
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私はそっと睫毛をもたげる。





大掃除の疲れなのか、日々の疲れが溜まっていたのか、
私は新年を迎えたと同時に
リビングのソファーの上で、眠りに落ちた。












冷たくなっているはずの身体が、温もりを持つ。
私の全てを代償にしても、手にしていたい、
甘い、薫りの中で。



「目ぇ覚めた?はよっ!」

「悠…一郎」


未だ微睡みの中にいる私。
夢なのか、それとも現実なのか……。
そんな事をとやかく考えるより先に、悠一郎の腹部に顔を埋めて腰に腕を回す。
そんな私の髪を、悠一郎はゆっくりと撫で上げた。


「悠一郎…」

「ん?」

「好き」


そう一言。
私は悠一郎へ頬を擦りながら、先程よりも深く抱き締めた。



「お前なぁ…それ、ゲンミツに反則っ///」

「んっ……」



私はごろん、と、上向きに向かされると、丁度悠一郎と視線が絡まる。
そして悠一郎は、優しく自分の唇を私のものと重ねた。

離れようとする悠一郎の頭を、私はそっと両手で引き寄せて、キスをねだる。

悠一郎の舌と私の舌が生み出す艶かしい水音。
気が早っているのか、時折コチッと互いの歯がぶつかり合うが、そんな事は今の私達には気に触りもしない。
ただひたすら、目の前の愛しの人の唇をなぶり食う様な激しいキスに夢中だった。


荒い息遣いがリビングに谺する。
テレビや暖房が点いている訳でもないリビングは、一つの豆電球のオレンジ色の光に染まっていた。
そっと、惜しむ様に離れた互いの唇を、銀色の糸が結ぶ。


悠一郎の膝枕に今も尚、身を委ね、私は微笑みながら悠一郎の頬に手を添え、はみ出している唾液を指で拭った。

悠一郎の目が、パッチリと開かれたと思うと、
無邪気な白い八重歯を現せる様に口を開けた。



「うゎ……っ、ヤバい」

「何が?」

「勃っちった!!」

「!!!!!!!!///」


これまた八重歯同様に無邪気な笑みを浮かべる悠一郎。
私は驚いて思わず跳ねる様に上体を起こした。
実は少し妙だと思った左頬への威圧感はソレだったのかと、更に頬を紅潮させる。


「だってさぁ、今日は夜更かししてんだから、オナニ−出来なかったし…」

「ちょっ!!///」


言うが早い悠一郎は自然な動作で私をソファーの上に組敷いた。


「だから…ヤろ?」

「バカ悠一郎っ///」



そう呟くと、私は悠一郎の首に腕を回す。
悠一郎は私の額に唇を落とす、ニッコリと笑った。











その笑顔には、完全に敵わない。






新年早々、私達は蕩ける程甘い夜を過ごしたのだった。


end


(これじゃ…初詣に行けないじゃん!)
(平気へーき!俺がゲンミツにお姫様だっこしてってやるよ)
(…………///)





*****

あけまして、おめでとうございます!!
皆様への年賀状代わりにでもと急遽、2010年企画の小説です。
楽しんで頂ければ幸いです♪+。
今年も宜しくお願い致します!

 

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