復活novel
□花嫁のキス Side・B
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チクショウ!
イライラする!
幾度もこの叫びが脳裏を過るが、自制心に鞭打って何とか心奥に留めていた。
この想いを外に出してはいけない。
(あいつがそう出るなら俺だって…!)
今は我慢だ。
我慢して、我慢して、我慢して……
そしたらきっとこのイライラは自然消滅していくはずだ。
(そんで何もなかった事にすりゃいい。ザマーミロ!)
口を固く結んで、シャーペンを握る手に力を込めた。
「……くん…。獄寺くんってばっ」
「え…?あ、はい!すいません!十代目!何でしょうかっ?」
一人でほくそ笑んでいると、綱吉からお声が掛かっていたのに気付かず、慌てて対応する。
今は綱吉の自室で期末テストの自己採点を行っていたのだった。
テスト期間中として与えられた一ヶ月の間、全ての部活動は凍結されるので、長きに渡って放課後は獄寺が綱吉と山本の勉強をみるのだ。
リボーンの見えない圧力も相まって、この一ヶ月間ずっと缶詰め状態であったが、それも昨日で終わった。
今日が期末テストの最終日で部活も再開され、並中にいつもの活気が戻ったところだ。
綱吉も肩の荷がおりた様子で、これまでのテスト用紙を持ち寄り、和やかな空気の中自己採点が行われていた。
「大丈夫?テスト期間中とかずっと勉強に付き合ってくれてたし、疲れが出たんじゃない?」
綱吉が申し訳なさそうにおずおずと尋ねてきたので、とんでもないと、全力で否定する。
「いえ、ちょっと考え事してただけです。十代目のお力になる事でしたら疲れは全く感じません!」
心配させまいと、にっと笑って歯を見せた。
「あのバカがいないから集中して自己採点できますし。」
昨日までは山本も一緒に、綱吉の自室で勉強をしていたが、今日は部活がある為獄寺は先に帰ることにしたのだ。
せっかくなので、綱吉の家にお邪魔して自己採点や今後の対策を立てる流れになったのだが、事はもう少し複雑だった。