復活novel
□甘い賭け
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綱吉は応接室にあるソファーに突っ伏していた。
さっきまで、スナック菓子を持参したという校則違反の容疑で、お仕置きという名の制裁を受けていたのだ。
しかしそれは、雲雀の丁の良い口実であった。お仕置きと言って、かなり激しく彼は求めてきたのだった。
体を清めてもらってから数分は経過しているが、まだ怠くて起き上がれない。
(それにしても…いつバレたんだろ…)
綱吉はすぐ隣のテーブルにあるポッキーを恨めしそうに見た。
(屋上で獄寺くん達に渡した時かな…)
鞄から取り出したのはその時しかない。
しばらくポッキーを睨んでいると、その赤い箱が突然宙に浮いた。
「そんなにこれが食べたかったの?」
「雲雀さん…」
宙に浮いたのではなく、いつの間にか近づいてきた雲雀によって、取り上げられたのだった。
「…校則違反してごめんなさい…」
果たしてお仕置きがこの度の違反に見合ったものなのかはさて置き、悪い事をしたのは事実なので、素直に謝る。
「うん。仮にも君は僕の恋人なんだから、規則は守ってほしい。それにあんな淫らな遊びは今後禁止だよ。風紀を乱すからね。」
淫らな遊びとはポッキーゲームの事だろうか。
風紀を乱すだなんて、どの口が…
それでは先程綱吉にしたお仕置きの説明がつかないではないか…
等と、内心反論する。
「それにしても、どうして今日に限って持ってきたの?」
「その…雲雀さんとポッキーゲームしたくて…」
そう、家にたまたまあったポッキーを見て、思いついたのだ。
恋人同士になったら一度はしてみたいと以前から思っていた。ただそれだけの理由だった。
「それってさっき屋上でしてた遊び?」
「……雲雀さん、ポッキーゲーム知らないんですか?」
群れるのを好まないのなら知る由もないだろうが、大抵の人なら知っているゲームなので驚いた。
少しムッとする恋人に、慌ててゲームの内容を説明する。
「ふーん、じゃあ先に口を離した方が負けなんだ。でも恋人同士でしても盛り上がらないんじゃない?」
「そ、そうですか…?」
遠回しにしたくないと取れる発言に慌てる。
「いや…でもこれは…。」
雲雀は一人でぶつぶつ言って、やがて結論が出たのか、今度はゲームをしようと言い出した。