復活novel2

惑わされて 1
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※ちょっとH(になる予定)です
※触手表現(後々)あり
※幻術の解釈が原作と異なります。







リボーンの指示通り、早速幻術指導が始まった。

その概要は、幻術というものの概念を理解する為の口頭での講義、肌で感じ取って身体で覚える為の実演からなる。

講義の内容を要約すると、幻術というのは人の五感を操作するものらしい。

主に視覚、触覚に働きかけ、対象者を惑わせるのだ。

ただ、それだけだと対象者に幻影を見せているだけで、幻術で表現したものは存在し得ない。

骸のように有幻術を使いこなし、無から存在し得るものを表現出来る人物は世界広しと言えどもほんの一握りで、修行をいくら積んだとしてもこればかりは持って生まれた才能が能力開花の鍵となる。

綱吉にこれを期待するのはいささか無理のある事なので、一般的に認知されている、五感を惑わすタイプのオーソドックスな幻術の指導を中心に修得を目指す。

指導が始まってから数ヶ月が経った。
あれから二人の間でリボーンやボンゴレについて語られる事はなかった。触れてはいけない、そんな領域が暗に出来上がっているのだ。

憂さを晴らすかのように、夜通しセックスをする日々が続き、それは骸の心境が不安定であることを示していた。なので、尚のこと綱吉からその話を持ち出すのは憚られる。

それでも夏の宿の件以来、二人の仲は何となくギクシャクしてはいるが、時の経過と共にそれも薄まってきている……と、綱吉は感じている。

夏から秋へと、大気が緩やかに変動していくように、骸の気性も落ち着きをみせた。…と言っても、単純に夜の営みが平穏を取り戻しただけだが。

それはそうと、講義中心の指導に加え、今日から実演指導に入るということで、朝から気が抜けない。


「綱吉くんは飲み込みが良いので、演習も期待していますよ。」


にっこりと含みのある笑みを向けられるたびに、不穏な空気を感じ取る。

一体どんな演習が行われるのだろう。
幻術を目の前で披露するだけの生易しいものではない事は推測できる。
もしかすると、演習の域を越えた実践的な戦闘内容が折り込まれているのかもしれない。


「………どんな内容?場所はどこでやるんだ?」


「クフフ、質問攻めですね。場所はこのリビングで充分ですし、特別な準備は必要ありません。」


そう言って、骸は冷蔵庫を開けて、中からタッパーを取り出す。
蓋をおもむろに開いて、さっきまで朝食をとっていたテーブルの上に置いた。
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