復活novel2

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※山本視点
※ちょっとHです









『獄寺、キスしていいか?』


囁くと、嬉しそうに頬笑んで、こくりと頷く。

一糸纏わぬ艶めかしい姿の獄寺は、自ら俺の膝に身を置き、猫のように擦り寄ってきた。


『先生………』


うっとりと熱い息をこぼし、引き寄せられるようにして、唇を合わせた。

角度を変えて、唇を味わう度に口付けは深く甘くなる。


『ふっ……んっ……ぁっ…』


誘うような甘えた嬌声が俺の欲望を掻き立てた。


我慢出来ない……


俺は悪戯に撫でていた獄寺の腰から、双丘へと両手を移動させた。絹のように滑らかで、吸い付くような白い肌の感触を味わいながら、柔らかな谷間へと指を向かわせる。


『あっ……先生……』


『大丈夫。優しくするから…』


不安そうに視線を送る獄寺の額に恭しく口付けて、俺はさらなる快楽の世界へと歩みを進めた──…



──────────



「はぁ…………」


何においてもそうだと思うが、感情が絶頂を迎えた後というのは何とも億劫な気持ちになる。

食事の後片付けだったり、飲み会の帰りだったり、自慰行為の後始末だったり……

特に自慰行為の後は最高潮だった気分も、崖から殴り飛ばされたくらいの落ち込みを見せる。

獄寺は今日もエロくて、可愛くて、従順で……俺を好きでいてくれる。

そんな脳内で具現化した在りもしない欲望の形だ。


現実との差がありすぎて、俺の心は今虚無感で一杯に膨れ上がり、それをため息という呼吸式に乗せて吐き出している……と、現状を説明するならそんな所だ。


「はぁ………」


もう一つ虚無感を吐き出してから、手の中に丸め込んだティッシュをゴミ箱に向けてほおり投げた。

しかし…綺麗な弧を描いて、3メートル程先にあるゴミ箱へ入るはずだったモノは枠に当たり、そのままソファーの下へと姿を消した。


「げっ」


不安な感情に浸っている最中、ただの紙切れならまた別の機会にと決め込むのだが、アレをそのままに出来る程、俺の神経は図太くない。

重い腰を上げ、這うようにしてソファーの下を覗き込む。

薄暗い隙間にはうっすらと埃の絨毯が敷かれていて、先月辺りに無くした靴下の片割れが無造作に置かれていた。


「あ…こんな所に…」


もう出てこないだろうと、昨日片割れを捨ててしまった事に後悔しながら、手を伸ばした。

靴下を掴み、引き寄せると、更にその奥にも落とし物が有る事に気付く。


「……物無くしたらソファーの下から探さないとな…」


冗談を呟きながら、暗がりに目を凝らすと、グラスであることが分かった。
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