恋人は妖の類ではないだろうか。絹のように滑らかで、透明感のある肌。乱れても艶やかな銀髪は、まるで意志を持っているかのように煌めいている。男なのに、女性を遥かにしのぐ色気の持ち主。もはや人ではないのかもしれない。人を騙すという、美しくて気高い妖狐…そんなおかしな想像をたくましくしてしまうのも無理はない。山本に組み敷かれて喘ぐ獄寺は、誰が見ても本当に妖艶な程美しいのだ。特に月がよく見える、こんな夜は。2010.05.18