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□きっと、そうなんだ。
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山獄絵文サイト様/ROSYの五月遙様よりキリバンリクエスト小説を書いて頂きました。
感謝です!
放課後の屋上。
俺はこの時間が好きだ。
赤と青に染まった空も、
誰もいないこの時間帯も、
そして…此処から見えるグラウンドも。
「あれ…いない。」
あいつ、が。
「…野球バカのくせに、」
グラウンドにいつもいる、ひときわ目立った存在。
眩しく見えるのは、夕日のせいだ。
きっと、そうなんだ。
ふと、扉の開く音がした。
「獄寺」
「っっ!?」
…なんで、
「なんでお前が此処にいるんだよ。」
「んー…」
『獄寺が見えたから?』
なんだそれ。
なんだよ、
「バカ、」
「うん。そうかもなー」
笑う、お前が…好きで。
バカなのは、俺なのかもしれない。
「ここいいな、誰もいないし」
「…お前部活もどれよ、」
「いいじゃん、あとちょっと。」
自然と握られた手が熱いのは、気温のせいだ。
「獄寺、…大好き。」
顔が赤いのは、夕日のせいだ。
(きっと、そうなんだ。)
end