復活novel

キスの総数
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獄寺とキスをした。

強引なキス
反則のキス

放課後俺からのキスと
あいつからのキス……


四回キスした。


あれから一ヶ月。
キスの総数は四のまま。

山本は悩んでいた。
おかしい…付き合い始めて一ヶ月の節目を迎える恋人同士なら、手と手を取り合って、大人の階段を一緒にのぼってもいい……と思う。

ところが、今の自分はキスどころかちょっとしたスキンシップさえ取れない。
この状況は何だ。

(倦怠期…?)

なんて思ってみるが、それより状況は悪い。

そもそも恋人同士に成りえているのだろうか…


山本は空を仰ぎ見た。
雲一つない秋晴れの空。


ガジャン


フェンスに背中を預けて回想する。


いつものように屋上で、山本は獄寺と綱吉の三人で昼食を取っていた。

綱吉は放送で雲雀に呼び出され、いそいそと応接室に向かった。
雲雀と付き合い始めたらしい。
五限目、大抵キスマークを見えそうで見えない、ギリギリのところに付けて戻ってくるが、何があったかなんて野暮なことは聞かない…

綱吉がいなくなって、獄寺と二人きりになれるはずだが、どういう訳か、獄寺までいなくなる。
理由は様々だ。
トイレと言って戻ってこなかったり、煙草と言って戻ってこなかったり……


(今日は読みかけの本を読んでしまいたい…だったっけ…)


理由が日に日に煩雑になっていることから、自ら避けていると分かる。

こんなことが一ヶ月続いている。

いくら温厚な山本でも一ヶ月という長いスパンはさすがに堪える。


(でも…部活が終わるまで待ってはくれるんだよな…)

ただし、歩くとき、会話するとき…何をするときも一定の距離を保ったまま…


「今日辺り聞いてみっかな…」


山本が腰をあげると予鈴が鳴った。
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