乱れし華
□戦の果て
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少女は、静かに目を閉じたーーー。
小田原城に家康がいるーー。
その情報を聞きつけたくのいちは、家康暗殺を目論見ようと小田原城へと走った。
幸村は既に大阪に向かっている。
くのいちは家康を大阪に行かせないために小田原城へと侵入した。
「幸村様が死んだら、楽しみがなくなっちゃうからね」
なんてことを言いながら城内を駆け抜ける。
上田城で幸村は服部半蔵により負傷してしまった。
主を守れなかったことを、くのいちは悔やんでいた。
だからこそくのいちは家康を討ち取るつもりだった。
ーー今度こそ、主を守るために。
最上階に行き、辺りを見回すと家康が背を向けて立っていた。
「ごめんね。家康様。幸村様のためにお命頂戴」
「……」
くのいちは静かにくないを構えると、家康目がけて走りだした。
*