封鬼委員会

□出会い
3ページ/6ページ


「閻魔?何処まで行くつもりなんだ?」
高校二年生で退魔士の迷桜閻魔は幼なじみ兼親友兼仕事仲間の声を聞き振り返った。
彼はかなり息を乱している。その後ろでは彼の従兄弟が「太子、速く進んでください」と叱咤している。
「太子、大丈夫?後、少しだから我慢してよ」
閻魔が幼なじみ兼(以下略)こと神山太子に告げる。そう言うとフッと太子の後ろから緑色の着物を着たオッサンが出てきた。
『太子君、閻魔君の言うとおりだよ?…なんか、もう近くに物凄い邪気を感じるけど…』
彼の名はバショウ。
かつて、栄えていた精霊一族の者だ。
今は退魔士の太子に護り手として憑いている。
「バショウさんも、そうおっしゃっているんですし、頑張りましょう?太子」
太子の従兄弟、小野妹子はいつでも戦闘体勢に入れるように構えた。
今、近くに感じる邪気は強さからして鬼のものだろう。
《厄介なものが暴走したな…》
閻魔は内心で舌打ちした。
鬼の一族は最強の妖怪だ。少々、手ごわい。
特に、護り手を未だ憑けてない閻魔と妹子にとっては。
「なんで、よりにもよって暴走しているのが鬼なのかな…?しかも、なんか生臭い…っ!?」
足を進めていた閻魔は思わず息を飲んだ。
血まみれの大人の姿をした鬼が二人の少年の鬼を囲んでいたからだ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ