GUARDIAN of BLACK

□第二夜
1ページ/3ページ


鬼男と芭蕉は、『beans』の『AJ』が担当する支部基地近くで、様子をうかがっていた。
二人の《標的(ターゲット)》は『AJ』とその配下だ。

「結局、『beans』を潰すことになりましたね。まぁ、ボスをはじめとする数人は残りますが…」

鬼男は芭蕉がトラップの設置をするのを見ながら言った。

「仕方ないよ。下の連中まで表に被害…薬を売っていたんだから…」

「そうですね」

口元に笑みを浮かべながら、鬼男は愛用のナイフを取り出した。
 何故なら、『AJ』の配下の内、5人が鬼男達に気付いて近寄ってきたからだ。

「お前ら、何をしてい…っ!?」

1人の男が何か言い終える前に、鬼男はナイフを投げつけた。
彼の手から離れたソレは見事に男の顎に命中した。
残りの男達も、銃を取り出すまえにパーカーのポケットに常備しているリヴォルヴァーで急所を撃ち抜く。

「さて…。芭蕉さん。後はよろしくお願いしますよ」

「うん。わかった」

芭蕉の言葉を聞くと、鬼男は基地内に侵入した。
目についた監視カメラは自分が写る前にナイフと銃を使い壊していく。
 しかし、走っている最中にも発見されてしまうため、鬼男は十を超える男達に囲まれてしまった。

「てめぇが監視カメラを壊したのか?」

「えぇ。そうですけど?」

もの凄い怒りの表情で聞く、男に鬼男は平然と応えて、男に問いかけた。

「あなた方のリーダーは何処にいらっしゃいますか?」

「青二才が一体何のようだ?」

男に銃を突きつけられたが鬼男は平然としていた。

「いえ。少々野暮用があるので…」

そうクスリと笑うと鬼男は素早くナイフを取り出し、男の右手を斬りつけた。

「僕は黒の守護者のものです。…………本日は、貴方達…《ゴミ》の《掃除》に参りました」

楽しそうに言う口調とは裏腹に顔には表情が全く無かった。

黒の守護者…と男達はサァっと青ざめた。
その間に、鬼男はナイフとリヴォルヴァーで男達の灯火を消していった。

「あ、いけない…。リーダーの居場所聞くの忘れてた…」

立っているのが鬼男だけになると、背後から銃声が響いた。
鬼男は少し身を引いて銃弾を避けると、発射された場所に目を向けた。
そこにはヒュースケンに見せられた写真の男…『AJ』がいた。

「わざわざ、出てきてくださって、ありがとうございました。おかげで、探す手間が省けました」

にっこり笑って言うと、『AJ』は冷たい視線を向けた。

「貴様が、黒の守護者…か…?」

彼が拳銃を、構えるのを見て、鬼男はアーミーナイフを取り出し笑顔のままで、応えた。

「そうですよ」

それと同時に、『AJ』は拳銃を鬼男に発砲した。
しかし、鬼男は僅かに体を動かしてそれを避ける。

「ほぅ…なかなか骨があるようだな…」

男は笑って第二撃、三撃と次々に鬼男を攻撃した。
鬼男はただそれを避けていくだけで攻撃を仕掛けようとしなかった。
そんな彼の態度に腹を立てたのか、『AJ』は拳銃を連射し、鬼男の肩を傷つけた。
そしてその攻撃は見事に、とまではいかないが鬼男にダメージを与えた。
切り口から、ポタポタと血がこぼれる。
鬼男は痛そうに顔を歪めたがニヤリと笑った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ