GUARDIAN of BLACK

□昼
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雲一つ無い夕焼け空の下、数人の大学生がじゃれあっていた。
鬼男もその内の一人だ。

「なぁなぁ!殺人事件だってよ!この街で!」

一人の青年が新聞を読みながら言った。

鬼男の表情が鋭くなる。

「ほらっ!『路地裏に男の遺体!被害者は放火魔!?』って!」

青年は友人達に新聞を見せた。

「うわ…マフィアって書いてある…しかも、今までの連続火事の犯人って…」

「偶然にしては出来過ぎている!絶対、他のファミリーの奴が殺したんだ!」

鬼男はその言葉にドキリとしたが、平静を装って言った。

「それは、漫画の読みすぎだな」

友人達はその突っ込みに笑った。

「…なぁ?あの車って外車じゃね?」

ふと、友人の声に前を見ると、真っ赤なスポーツカーが止まっていた。

その前に立っていたのは…閻魔だ。

「げっ…」

鬼男は小さく呟くと友人達に言った。

「わりぃ…。バイトの先輩だ。なんか大切な用事みたいだから…先に帰ってくれないか?」

鬼男はそう言うと、友人達に何か聞かれる前に、スポーツカーの前にいる人物に近寄る。

「…なんの用ですか?大王」

「…今の、友達?」

閻魔は質問に答えず、鬼男を見下ろした。

「えぇ。一応健全な大学生なので、友達位はいますよ?」

表情を変えずに鬼男は平然と言った。
それから、再度閻魔に質問した。

「で、用件はなんなんですか?大体、予想はつきますが」

うんざりしたような口調。

「ん?ハリスさんからの連絡で『全員集合』だって。一緒に…「行きませんよ?」…ですよねー…」

鬼男は溜め息を吐くと、《仕事》用の服に着替える為、住んでいるマンションに向かった。

…ハリスさんからの連絡=黒の守護者の仕事
鬼男は泣きたくなって来た。
まぁ、仕事が仕事だから仕方ないが…。
僕だって普通の大学生なんだからなっ!

…明日、提出の課題があるのに…

そう思いながら、鬼男は自分の部屋に入って行った。

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