日和学園生徒会

□出会い
1ページ/2ページ


桜が綺麗だな…。
僕は新しい制服で身を包みながら、歩いていると、馴染みのある声がかけらた。

「あっ。おはようっ!鬼男!」

僕はあだ名を呼ばれて振り返ると、そこには幼なじみ兼親友の小埜妹子がいた。

「おはよ」

「いよいよ、明日から高校生だねっ!」


妹子が嬉しそうに笑った。

 そう僕達は明日から日和学園に入学する。
だけど、寮に入るから、一足先に日和学園に行くことになっている。

嬉しそうな妹子が正直、羨ましかった。
確かに高校生になれるのは嬉しいけど、クラスメート達と馴染めるだろうか?
それが不安でたまらなかった。

理由は僕はクォーターで、肌は褐色、髪は金、瞳も金という事情を知らない人間から見れば不良のような外見をしているからだ。

「大丈夫だよっ!鬼男って優しいしさっ」

妹子は明るく笑った。
それでなんとなく安心出来て、僕は頷いた。

「妹子、ありがとう」

それから、僕達はたわいない会話をしながら日和学園に向かった。
学園に着くと、僕達はその広さに驚いた。

まぁ、事前に見学とかしていたけど、やっぱり驚いてしまう。

「えっ…と、日和寮は…?」

妹子はパンフを広げて僕達が入る寮を探した。
その時、

…ぱっこーん

突然、妹子の顔面にサッカーボールが激突した。

「妹子っ!?大丈夫かっ?」

「う…ん。なんとか…」

鼻の頭をおさえて、妹子は応えた。どうやら鼻血が出ているらしい。
えっと、ティッシュ、ティッシュ。

「…おーいっ!すまん、すまん。つい、別な所にシュートしてしまった!」

呑気な顔で、ちっとも誠意の無い謝罪をしながら、青いジャージを着た人がカレー臭を発しながら此方に来た。

「お前たちは、新入生かっ……!?」

青いジャージのその人は、僕達の顔を…否、妹子の顔を見た瞬間、硬直した。
…?なんなんだ…?

「…?あの、僕の顔に何か付いてますか?」

妹子は嫌そうな顔して青いジャージの人に聞いた。

そりゃ、凝視されたら嫌だろうな。ましてや、知らない人にやられたんじゃ。

「…お…っ。い、いや何でもない。知人に似てたものでな…。で、新入生なのか?」

一瞬。本当に一瞬だけ青いジャージの人は哀しそうな顔をした。
けど、すぐに表情を戻して僕達に聞いてきた。

「あっ。はい!明日からこの学園の一年になります。僕は明海鬼隆です。で、こっちは…」

「小埜妹子です。アンタは誰ですか?失礼カレー臭」

妹子は凝視されたのがよっぽどヤだったらしい。
その証拠に言葉に刺がある。

「私か?私は雨宮太子。この学園の生徒会長だ!」

え?

生徒…会長…??

『えぇ〜っ!?』

僕と妹子の声がハモった。

いや、だって此の人…
見るからに…

「こんなアホみたいな人が生徒会長!?」

妹子に思いっきり言われて、雨宮先輩は『ガーンっ』と自分で言ってガックリしていた。

まぁ、僕も妹子と同じことを考えたけど…雨宮先輩が哀れだ。

チラリと妹子を見ると楽しそうに笑っていた。

ワザとだな…こうなると、わかっていてやったな妹子…

妹子は機嫌が悪くなると、楽しそうに機嫌が悪くなった根源をイジメる。

だから、僕は少しこの幼なじみが怖い…。

「太子〜?何してるの〜?」

雨宮先輩の名前を呼ぶ声がしたので其方を見て僕と妹子は硬直した。

だってその人は…ナチュラルにセーラー服を着た真っ白な男だったからだ。

「あっ!君たち新入生?可愛いなぁ〜!俺は羅真閻魔!気軽に閻魔様って呼んでもいいよんV」

気持ち悪い…

駆け寄りながら此方に変態が来た…出来れば関わりたく無い人種だ…でも…なんだか懐かしい気持ちになった。

なんでだろ?

「あっ…」

羅真先輩は僕を見て一瞬嬉しそうな顔になった。

…なっ…なんなんだ…?

「ね?キミ達『日和寮』に入るんでしょ?案内してあげるよ?」

羅真先輩はニッコリ笑いながら僕達に言った。

結構綺麗な顔してるな…って!?何考えてんだ!僕!

「気持ちは嬉しいですけど…」

妹子は遠慮がちに言った。

おそらく。もう関わりたく無いと考えたのだろう。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ