封鬼委員会

□出会い
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暗い森の中を二人の少年が走り抜けている
一人は太陽のような金髪をし、もう一人は漆黒の髪をしている。
しかし、その髪からは人間に在るはずのない角が覗いていた。この二人は最強の妖怪と呼ばれる鬼の一族である。
先を走る金髪の鬼が、後ろを走る黒髪の鬼に声をかける。
「兄さん?大丈夫?」
息を切らしながら、鬼は答える。
「これっ、くらいっ、平気っ、ですっ、よっ」
強がっているが、辛そうだ。
《何処かで休まないと…》
「休んでいる、ヒマなんて無いみたいですよ…」
弟の考えを読み取った、黒髪の鬼は息を整えると来た道の方を振り返った。そこには、様々な武器を構えた大人の鬼達がいた。
皆、狂ったような笑みを浮かべて、瞳にも狂気の色しか浮かんでない。
「…なぜ、ボクたちを襲おうとするのです?一応ボクたちは長の子供なんですけど?」
黒髪の鬼は金髪の鬼を守るように立ち上がった。
「…ソコ二イル混血ノガキヲヨコセ…。曽良サマ…ソウスレバ、曽良サマ二ハテヲダサナイ」
狂気に満ちた声音。
…金髪の鬼の少年は、眉をひそめた。
曽良と呼ばれた黒髪の鬼は目の前で気持ち悪い笑みを浮かべる鬼を睨みつけた。
「鬼男に何をするつもりなんです…?」
ゆっくりと問いかける。その声音は氷点下を超えているようだった。
「喰ウンダ。ソイツヲ喰エバツヨクナレルカラ…」
鬼は曽良の表情が険しくなったのに気がつかない。
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