短編U
□○両想いと気付いた瞬間
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「ひ、雲雀さん!あの、これ…」
突然差し出された箱。
それは、きちんと包装されていた。
渡してきた相手は、男。
赤ん坊の教え子、沢田綱吉だ。
そして…。
「何?これ」
「あの…き、昨日誕生日だったって聞いたので…。その…プレゼントです!」
「ワオ。君からプレゼントを貰えるなんて、思いもしなかったよ」
嬉しくて、自然と笑みを溢していた。
だって僕は、以前から彼…沢田綱吉が好きだからね。
だけど、この気持ちは…伝えてはいない。
「えっ…えっっ??」
予想外な反応に驚いたのか、彼はキョトンとしている。
「つまらないものだったら、君を咬み殺すよ」
「お、お茶です!お口に合えば良いのですが…」
お茶か…。
僕は、お茶に関してうるさいからね。
僕は、包装をとり、箱を開けた。
そこには見覚えのある柄をした缶が入っていた。
僕好みの、お茶だ。
「よく、僕の好きなお茶がわかったね」
「そ、そうでしたか…。良かったぁ……」
僕に咬み殺されずに済んだと思ったのだろう。
緊張が解け、安心した表情になっている。
その顔が…堪らない。