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□月光ロマンス
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フリフリ。ひらひら。ドレス。



メイド服が、何故ここに。
ホワイ?何故?なにゆえ?


持ち主であろう人物は、某激安の殿堂テーマソングを口ずさみながら紙袋からそれを取り出し、ベッドの上に置いた。


アキバで買ったのか?なぁ?!

友達と一緒にアキバに行き、何食わぬ顔でコレを買ったのか?!

ベッドの上で存在感を醸し出しているコレをどうしろと。
ご丁寧にひらひらしたカチューシャまで。



ん、んん?


この衣装には見覚えがあるぞ。
これは…これは…

ロリ巨乳メイド、麻依ちゃんのメイド服ではないか!!

ぱっと見普通のメイド服だが、真っ白なフリルエプロンに赤い刺繍が施してあるのが特徴なのだ。
興奮しながら衣装を握りしめていると


「アキバにクラスの奴と行ってきたんだー。
アイドルのライブかなんかに。
それ行ったついでに、ハルの好きなメイドさんの服買ってきたよ!」

気持ちは有り難いが、買うなら、買うならさ……
フィギュアにしてくれ!!

使用用途が不明じゃねーか!!



パソコンではちょうど麻依ちゃんのBadエンドを再生中だ。
始めたばかりだからまだギシアンはないが、純粋無垢なメイドの麻依ちゃん…可愛いなぁ…。
クリックする手を止め、それからオートモードにした。



俺は例のメイド服を睨みながら


「で、これどうすんの?
お前が着て俺にご奉仕とかしてくれんの?」




「それでもいいけど…あ」


いいのかよおい。

何を思い付いたのか秋羅は携帯ゲーム機を俺に掲げる。


ソフトは『太鼓の仙人』……俺のだよ…それ…。




「これで決めよ」

棚から二代目のゲーム機を取り出す。
音ゲーには自信があった。
太鼓の仙人には俺の好きなゲームの歌が収録されている。
それなら鬼畜レベルでもノーミスでいけると確信していた。
だからぽよぽよのときのように、負けたりなんかしない。



二つ返事で俺は勝負を引き受けた。





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