*空と鎧の祈り*

□「ありがとう」の言霊
1ページ/1ページ



「「やっと着いたぁ!」」
イーストシティの玄関…駅構内に二人の女性が降り立った。

デニムのロングスカートを履き、白いキャミソールに黒いカーディガンを羽織った勝ち気な瞳の女性…エドワード・エルリックは、長く伸びた髪を靡かせながら伸びをしている。

一方、肩位までの少し暗い金髪にデニムを履き、黒のTシャツに白のカッターシャツを羽織った女性…アルフォンス・エルリックは、伸びをしながらも辺りをキョロキョロしていた。
「姉さん。大佐達に連絡してたよね?」
「ん?あぁ。ちゃんと今日のこの便で来ることを伝えたぞ?」
不意にアルフォンスがエドワードに問い掛けるが、腑に落ちない顔で辺りを見渡す。
「誰も来てないよ?」
「またテロか?」
二人して訝しげな顔をしていれば、急に辺りがざわめき始めた。
「え?何?」
「嫌な予感しかしねぇ…」
二人が背後を振り返れば、ナイフを持った男が女性を人質にしている。
東方司令部に近い改札口は男の背後。
二人は自分達の運の無さに頭を抱えた。
「僕達って、何で問題の中心地に居るんだろ…」
「いい加減トラブル体質から卒業したいぜ…」
二人が小声で話して居たときだった。
「そこの金髪ども!この女がどうなってもいいのか!?」
どうやら犯人は、このままトレインジャックを企てていたらしく人質として二人に列車内に戻れと言っている。
「アル、お前が人質確保。」
「犯人は任せたよ?」
二人は小さく合図し、アルフォンスが走り出した。
「なっ!?」
男が女性にナイフを振りかざすよりも早く、アルフォンスは女性を自らの背後に庇い男から離れる。
同時に男は周りに錬成反応と、石で出来た手により拘束された。
「事件発生から5分以内。」
「スピード解決だね。」
エドワードは女性に怪我が無いかを聞き、アルフォンスは男の持っていたナイフをハンカチに包んで拾い上げていた。
「鋼の錬金術師殿!」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ