in 魔法の世界

□06章
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「エヘン。全員よく食べ、よく飲んだ事じゃろう」

 満腹の生徒達にダンブルドアの声が響いた。

「最後ですが、死にたくない人は、4階の右側の廊下に入ってはいけません」

 ダンブルドアの挨拶はそれだけだ。
 最後に校歌を歌い、始業式は終了した。

「レイ、どこいくの?」

 ピーブスを回避し、たどり着いたグリフィンドール寮。
 女子寮の階段をランと共に上ろうとして、レイはハリーに止められた。

「どこって女子寮だけど?」
「何を言ってるんだ。レイ、君は男だろ?」

 諭すロンもローブを掴むハリーも真剣な表情を浮かべていた。

「レイ、ダメよ。あなたはあっちでしょ?」
「ラン!? 何言ってるのさ! 僕は女だ!」

 レイが声を張り上げた。
 その言葉にハリーもロンも二の句がつげられない。
 それは見事な驚きようだった。

「さっきのはランの悪ノリ! ランも笑うな!」
「‥‥っ‥‥だ、て‥2人の顔っ!」

 レイが必死に女ということをアピールする横でラン、小さくなって笑っていた。

「じゃあ、本当に、その‥‥レイは女の子なの?」
「さっきからそう言ってるだろ! 僕は生まれた時から女だ!」
「‥ラン。君が‥‥男ってこともないよね?」

 ようやく笑いが収まったのか、立ち上がったランにロンが問いかける。
 ロンの言葉に、ランはフッと艶然した笑みを浮かべた。

「試してみる? ――もう、冗談よ」

 真っ赤になったロンとハリーを置き去りに、2人は女子寮に消えたのだった。
 
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