in 魔法の世界

□06章
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 帽子は悩んだ。
 叫ぶ寮の名を。
 だが、すぐに答えは出た。

「グリフィンドール!」

 帽子が叫んだ。
 レイはグリフィンドールに行き、ロンの隣りに腰を降ろした。
 そしてランを見る。

「キリュウ、ラン!」

 マクゴナガルに名前を呼ばれ、スツールに腰掛ける。
 口元が動いているのがレイにはわかった。
 「すぐにいくから」
 そしてランが帽子をかぶった。

「スリザリン!」

 帽子はそう言おうとしたのだろ。
 だが、それは阻止された。

「ミス・キリュウ!?」

 バシッという音と共に、帽子が床におそらく投げつけられた。
 驚いてマクゴナガルがランの名前を呼ぶ。

「すいません。突然大声が聞こえたので、思わず落としてしまいました」

 ランはそう言って帽子を床から拾い上げ、頭に乗せる。
 だが、誰もランの言葉は信じなかった。
 帽子が小刻みに震えている所為だ。

「スリ――! グ、グ、グリフィンドールッ!?」

 何があったんだ。
 刹那、誰もが思った。
 だが、帽子が叫べば決定事項。
 ランは揚々とグリフィンドールのテーブルに向かい、レイの隣りに腰掛けたのだった。
 
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