in 魔法の世界
□06章
3ページ/5ページ
帽子は悩んだ。
叫ぶ寮の名を。
だが、すぐに答えは出た。
「グリフィンドール!」
帽子が叫んだ。
レイはグリフィンドールに行き、ロンの隣りに腰を降ろした。
そしてランを見る。
「キリュウ、ラン!」
マクゴナガルに名前を呼ばれ、スツールに腰掛ける。
口元が動いているのがレイにはわかった。
「すぐにいくから」
そしてランが帽子をかぶった。
「スリザリン!」
帽子はそう言おうとしたのだろ。
だが、それは阻止された。
「ミス・キリュウ!?」
バシッという音と共に、帽子が床におそらく投げつけられた。
驚いてマクゴナガルがランの名前を呼ぶ。
「すいません。突然大声が聞こえたので、思わず落としてしまいました」
ランはそう言って帽子を床から拾い上げ、頭に乗せる。
だが、誰もランの言葉は信じなかった。
帽子が小刻みに震えている所為だ。
「スリ――! グ、グ、グリフィンドールッ!?」
何があったんだ。
刹那、誰もが思った。
だが、帽子が叫べば決定事項。
ランは揚々とグリフィンドールのテーブルに向かい、レイの隣りに腰掛けたのだった。