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□もしもお前を
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―――俺は貴族が嫌いだ。


誰だか分からねぇヤツが勝手に“身分”なんてもんを作りやがったせいで、今も苦しんでる人間が何人いると思ってやがる。


身なり良くして、家でかくして、自分にとって無害な事は無関心。


おまえらでそんなんだったら皇族なんてもんは最悪じゃねえか。






……ガキの頃からそう考え続けて疑わなかった俺の前にあいつは現れた。



彼女は―――エステルは、貴族だ。


いや、正しくは“皇族”だ。



そんな最悪だと思っていた所の出身のエステルは、俺が思っていた皇族とは正反対の人間だった。


言われるがままの身なりをされ、でかい城に軟禁され、黙っていれば自分にとって無害な事に首をつっこむ。



……なぁエステル。なんでお前は貴族なんだ?



どうしてラゴウやキュモールと同じ貴族なんだよ……?


アレクセイに拐われて、道具として使われて、お前を……殺すと覚悟を決めた時にさ、俺思ったんだよ。





「俺は貴族を殺す事が宿命なのかもしれねぇ」ってな。







俺は世界が正しい方向に進むためならどんな罪だって背負ってやる。



……それでもな。エステル。



俺は…世界のためだからって、エステルを殺したなんて罪だけは…背負いたくないんだぜ……?




……だからな、エステル。










……俺は、貴族が大嫌いだった――――

Fin


― ー ― ー ― ー ― ー ― ー
ユーリ視点のお話でした。

ユーリは損な役回りをあえて買ってでます。

仲間のため、世界のために。

エステルにフレンとの会話イベントの時に言った、

「いつかお前にも刃を向ける時がくるかも知れないぜ」

っていうのはもちろん本気で言ったわけではないと思うんです。

いつかその辺の話を書きたいなぁ☆


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