『ユドラミゴウン』
□洞窟の日
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「ぉおーい!そろそろ起きようよー!」
ゆさゆさと自分より相当でかいであろう人物を起こそうと試みるが一向に起きる気配はない。
俺、神見習いのムネヒトは現在ピンチだった。
なんでなんて聞くまでもない、俺はここで完全に意識を失ってる女の子のせいで来たこともない世界に飛ばされてしまったのだ。
「ーっ、神のチョベリバ…!」
よりにもよって竜やら妖精やら獣人やらがわらわらといる大陸だ。
俺の記憶が間違っていなければここは普通の人が迷い込んだら絶対に生きては帰れない場所。
そんなところこの姿の俺と女の子でどうしろと言うのだ。
むしょうに叫びたくなったがこんな姿の俺ではたいした声は出ない。
死んでからなぜか天使になって、しょうがないからがむしゃらに働いて、人間より弱い存在だった俺が人間の姿になれるぐらいは高位につけた。
そして、今や神見習いの中でも一番神に近いとまで言われている俺が
「……ぅう、いったぁあ、何ここ…」
よりにもよって、またこんな弱い存在に
「…………何でハムスターがここに?」
正確にはジャンガリアンハムスターだ!!
そこの女の子ッ!!
今の俺はどこをどう見てもハムスターにちっこい羽をつけた小動物。
そう、俺の生前はハムスターなのだ
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