『ユドラミゴウン』
□最後の日
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「……眠い」
うとうととまどろみながらも数学教師の話をちゃんと頭に入れている私はまさに生徒の鏡だと思う。
辺りを見ると教科書で寝ていることをごまかそうとしている人(後で真似させてもらおう)、明らかに話を聞いてない人(いっそすがすがしい)、隠さずに寝ている人(絶対アホだ)、まともに授業を受けている人なんてずば抜けて頭がいい奴くらいだろう。
「うわ、ノート最後の一枚なんですけど…」
帰りに文房具屋に寄らなくてはならないなぁ、なんて考えてるうちにチャイムが鳴り今日最後の授業が終わった。
彼女がこの世界で受けた最後の授業だった。