♪アニメ小説♪
□雨のおかげで。
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ザァ・・・
雨が静かに降り始めた。
こんな小雨なら走って帰っても、
少し濡れる位だと思う。
だけど銀時は木の影に突っ立ってた。
「今日は濡れたくねーんだよな。」
右手には大きなリボンのついた箱を持っていた。
今日は同じ万事屋の神楽の誕生日。
給料もロクにあげれてないから、
今日位は何かあげようと思ったのだった。
「俺って運悪いよな…。」
箱だけは濡れないようにと抱えてしゃがみこむ。
「いいえ、運は良いみたいですよ。」
「あ?」
誰かの声を聞き、顔をあげる。
そこには真選組の山崎がビニール傘をさし、
笑みを浮かべていた。
「運、悪ィーよ。」
「へ?」
銀時の言葉に目を丸くしてみせた。
「救世主が可愛い女の子なら良いのによー、
よりによってジミー?何?嫌がらせ?」
「…スイマセン…。」
「俺、お前に借りを作りたくないんでね。」
その言葉を聞き、
悲しそうに背中を丸くさせ、
山崎はトボトボと帰って行く。
その姿をひたすら目で追っていた。
『言い過ぎたな』なんて思っていたりする。