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□「届かなくてもいい」なんて嘘
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side.Hikaru

ユウジ先輩から電話がきた。
『お前なぁ、謙也の誕生日の事何も考えてへんのかっ!』

考えてる。
だけど、どうしたらいいのかわからないだけなんだ。

俺は、ユウジ先輩みたいに器用じゃないし、ましてや、千歳先輩みたいにおおらかでもなければ、白石部長みたいに完璧でもない。
そう、フカンゼンだから……。


ベッドに入って天井を見た。
ぐるぐると頭を巡る考えを、出ては消し、出ては消しの繰り返し。
あかん、頭までぐるぐるしてきおった。


今夜も眠れそうにない。


もし、プレゼントが気に入ってもらえなかったら?
きっと謙也さんは優しいから、苦笑いで「ありがとな」って言うんや。

もし、嫌われたら?
ただでさえ世間に受け入れられない恋愛をしているんだ。
禁断の恋ってやつ。
だから、捨てられたってしかたない。

もし、捨てられたら?
俺は生きていけない。
あなたなしでは生きていけない。

そんな事ばかり考えて、考えて……


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