shake用

□先生と僕
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何をしてもつまらなかった。



風紀委員として頂点に君臨しても。



弱い草食動物を咬み殺しても。



僕の心はいつも渇いていた。



つまらない。



くだらない。



僕には興味や好奇心といったものが欠けていた。



平和な日常に欠伸を洩らす毎日。



そんな時だった。



君が現れたのは。



僕の何もかもを覆した男。



初めてだった。



こんなにも心が踊ったのは。



楽しいと感じたのは。



まさかこれが恋だなんて、これっぽっちも気付かなかった。



だって彼は、僕の先生。






「産休の笹川先生の代わりに音楽を担当する事になった、獄寺隼人だ。」



第一印象、派手。



まるで反面教師の様なチャラついた姿に眉を寄せた。



「教師になるのはこれが初めてだから…えっと……雲雀?暫くサポート頼むな!」



瞬間、教室内が一気に静まり返った。



何故、僕?どうせ名字が珍しいとかそんな理由だろう。



「嫌だよ。」



キッパリ断れば教師はポカンと目を見開いた。



しかし、直ぐに口端を上げ笑った。



「そんな事言うと、赤付けるぞ?」



職権乱用も良いところだ。



でも、何故だろう。



本気で嫌なら咬み殺せばいいのに。



それはせずに素直に頷けば、生徒達がざわついた。



不快な雑音を無視し教師に目を向けた。



銀色の髪に翡翠の瞳。着崩された皺だらけのスーツ。



嗚呼、この男の存在は風紀が乱れる。



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