宝物

□それは神の悪戯
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「隼人、誤解なんだよ。」



丸くなって顔を見せてくれない彼の背中に話掛ける。



「あれは!あの人が転んで、それに巻き込まれて…。」



「いつものてめぇなら、避けれただろ?」



彼の言葉は一理ある。



「跳ね馬に心許してるからああなったんだろ?」



そうなのかもしれない。



確かに、彼に対しては何を言っても面倒な回答しか返ってこないので放任してた部分はある。



「彼奴だけだよな…恭弥って呼ぶの。」



鬱々と暗くなっていく彼の背中を抱き締めた。



が、それは直ぐに跳ね飛ばされた。



「汚ねぇ手で触んじゃねぇよ。」



真っ赤な瞳は兎の様に可愛らしいのに眼光が半端ない。



「人はな、一度信用を失うともう信用出来ねぇんだよ。」



真っ赤な瞳からは今にもレーザービームがでそうな勢いだった。



「さよなら、雲雀恭弥。」



ガンガンと階段の音が響く。



僕はただ、ぼんやり彼が涙で作った水溜まりを見つめていた。



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