宝物

□バーサス
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それはいつもの応接室。



書類の整理をしていると余程暇だったのか彼はソファーから起き上がりおもむろに匣を開口した。



それはあの嵐猫の匣で、炎は忽ち愛らしい猫の姿となった。



「にょおん!」



「瓜〜、暇だから遊ぼうぜ。」



なんてデレっとする彼も可愛いな、なんて適当に判を押しながら眺めているとやはりというかなんというか…。



「にょっ!」



「いっ!コラ、瓜!引っ掻くな!」



まあ、そうなるだろうね。



全く学習しない、そんな彼も可愛くて判を置き腰を上げた。



「君さ、そんなに引っ掻かれたいの?」



「んなっ!…もとはと言えば、てめぇが…。」



もごもごと可愛らしい事を言う彼の身体を優しく抱き締めた。



「なら、僕が遊んであげるからその猫仕舞いなよ。」



ピクンと身体を揺らし匣を手にした彼はなんて従順で可愛いのだろう。



しかし、それだけでは終わらなかった。



「にょおん!」



先程まで暴れていた猫がちょこんと彼の膝に飛び乗ったのだ。



「瓜〜!」



それに歓喜する彼、突き飛ばされた僕。



ねえ、何この状況。



見れば彼に抱かれ頬擦りされる猫と目があった。



その目はまるで、勝者のそれだった。



この兵器風情が…僕に歯向かうなんていい度胸だね。



ユラリ、仕込みトンファーを取り出した。



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