宝物

□痴話喧嘩は犬も食わぬ
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突如鳴り響く爆発音。



校内でこんな音を鳴らせる人物は一人しかいなく何故か嫌な予感がした。



やはり現れた彼は不機嫌露に俺の方へと向かってくる。



「獄寺くん、どうしたの?」



声を掛けたのは義務の様なもので本当ならばこのまま何もなかった様な顔をしていたかった。



「十代目、聞いてくださいよ!雲雀の野郎、ちょっとした事で殴りやがって…。」



この二人が付き合っているという事は校内はおろか町内でも知らない者はいないだろう。だって、雲雀さんが町内放送で宣言してたし。



で、このカップルは最強にして最悪、いつも周りを巻き込んでの大騒動が始まる。



「雲雀さんと、何かあったの?」



事務的な答えを返せば彼は怒りを静めションボリ俯いてしまった。



「実は…お揃いで買ったシャープなくしてしまいまして……。」



お揃い!?しかもシャープって、何甘酸っぱい青春しちゃってんの!!



「へ〜…何処でなくしたんだろね?」



「あの、校内は探したんでもしかしたら十代目の家にお邪魔した時だと思うのですが…。」



「そっか!この間勉強会したもんね。じゃあ帰りに寄っていきなよ。」



「ありがとうございます!」









まさかこの一言が、あんな大惨事を引き起こそうとはこの時の俺はまだ気付いていなかった。



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