紫の砂
□悲しみのmemory
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キラが居なくなった事を、一応伝えた方が良いかと思ったが、キラの心を感じ取らない、自分達の考え方を押しつけるような意見にラクスは伝えた事を後悔していた。
キラだって自分の意志があるのだから、黙って…誰にも知られないように出かけることだってある筈だ。
『もう良いです』
再び始まった二人の会話を聞いているのにいい加減嫌気がさしてきたラクスは、ブツっと回線を切った。
外に出て見上げた空は、ラクスの心の一部を表すようにどんよりと灰色の帳を降ろしていた。
「キラさん!大丈夫か!?」
フラフラと突然現れた茶色の髪を持つ華奢な彼を黒髪の少年が支えた。