まるで雛祭りのような段が坦々と続いてる。
その上に袴、十二単を来て整列する万事屋一行。
そして、真選組。
……その他の集団。


皆が整列し終わった所で、一番上の段に座っている銀時がパンパンと手を叩く。
一斉に場が静まり返り、皆が両手を段に付けた。



そして、一斉に唱える。



「皆様、今宵は坂石桜が経営するサイト、『今宵月は何処を照らす』にお越し頂き、真に有難うございます。」
「皆様の御蔭で、このサイトも遂に一万打を迎える事が出来たネ!」
「もっと来なさいよ、もっとばんばん来て、私を興奮させなさいよォ!」
「メス豚は黙ってろ!
んで、これは、その祝いの記念SSだ。
煮るなり、焼くなり好きにして大丈夫だぜ?
ただし、持って帰る時は、管理人に一言言ってもらえると嬉しいかね?」


銀時がにんまりと微笑むと、皆が釣られたように笑い出す。
銀時の隣で十二単を来て微笑みを讃えていた妙は更に色濃く笑った。
そして、柔らかい口調で、銀時に話し掛ける。


「こんなろくでもないプー太郎が経営しているサイトによく来てくださったわ。
ここの管理人、通信制の高校通ってるけど、ほぼニートのようなものだから。
せめてフリーターになればいいのに。」
「おぃぃぃぃ!
そんな天使のような笑顔浮かべて、何悪魔のような事言ってんの!?
ニートとフリーターは違うんだぜ!?
この前現代社会で習った!」
「あら、それで、“管理人ちょっと頭いいんじゃね?”って思わせたかったのかしら?
残念だけど、それは一般常識って奴よ。」
「むきぃぃぃぃ!」
「つか、テメェ等いい加減管理人の話から離れろォ!
誰も面白くねぇし、誰も得しねぇんだよ!」


新八のツッコミが炸裂する。
銀時以外の物が笑い出した。


「それにしても……。
何故お雛様の隣が僕じゃないんだ。
そこを代われ、銀時!」


九兵衛が銀時の席を奪おうと、二人で取っ組み合いを始める。
段から転げ落ち、銀時は九兵衛を庇う。


「ちゃー、ちゃー、ちゃーん!
坂田銀時殺人事件ー!」


神楽が唱えると、沖田が銀時の頭にトマトジュースをぶっかけた。


「彼女を抱いたまま階段から転がり落ちて死ぬ!
最高のシチュエーションでさァ。」
「俺は死んでねェ!」
「うがあああああ!!」


九兵衛は銀時の襟足を掴み、ひな壇の方へぶん投げる。
さっかまで頭に血が昇って、拒絶反応が起きなかったのか、それとも別の理由があるのか。
それは本人でさえ知らない。


「きゃあ!」
「うわぁ!」


妙の方向へ銀時が飛び、妙は銀時に押し倒されて後ろに倒れる。
重なる二人の身体。
九兵衛の堪忍の尾が切れるのも、時間の問題だった。


「貴様ァ!
妙ちゃんに何て事を!」


抜刀し、銀時にきり掛かる。
新八が山崎と同じタイミングでため息を着いた。


「えっと……収集がつかなくなったので、終わりにしたいと思います。」
「こんな奴でも、持ち帰りたい人は持ち替えちゃって下さい。」

「アディオ」
「アディオース!」


山崎の言葉を切って、沖田が叫んだ。




【完】


いいネタが浮かばなかったんです、ごめんなさい……!
こんなんでも、持ち帰って貰えると嬉しいです。

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