フォレスト - 忘れられた記憶 -

□第4章旅の始まり
2ページ/3ページ

おじいさんの小屋は山のふもとにあった。 「おじゃまします。」 クリアはおじいさんの小屋に入った。中はこざっぱりと していて、燻製肉が天井からぶらさがり、たくさんの毛皮が敷かれていた。 おじいさんは手で座れと合図し、燻製肉をナイフで薄く切り取り渡した。 クリアは袋の中からベーグルを取り出しておじいさんに手渡した。 2人は燻製肉をベーグルにはさんで、かぶりついた。 それに暖かいヤギの乳。 食事が終るとおじいさんは何やら作り始めた。 「どこまで行く?」 手を休めず、おじいさんは聞いた。
「隣の国まで」 クリアは答える。 「ふーむ。山超えと国境の川超えか。」 おじいさんは難しそうな顔をしてクリアを見た。 「大丈夫よ、おじいさん。」 クリアはにっこりと笑う。おじいさんはクリアをじっと見つめ力強くうなずいた。 「おまえさんには不思議な力を感ずる。よし!出来た。」 おじいさんは団子のような物を木の皮に包んでクリアに渡した。 「モンスターの嫌うハーブ団子だ。わしは猟の時これを持って行く。」 「おじいさん、ありがとう。」 クリアはモンスター避けのハーブ団子を受け取った。 2人はそれからほどなくして眠った。 早朝、おじいさんに見送られクリアは小屋を後にした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ