フォレスト - 忘れられた記憶 -

□第3章 旅立ち
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V


やがて陽が傾きかけた頃、
「クリアちょっと古地図を持って来てくれ」
長老の声がした。
古地図を持って居間へ行くと、道具屋のトーマスと木こりのドークがいた。
「クリア地図を広げてくれんか」
長老に言われてクリアはテーブルに地図を広げる
「ここが村じゃ」
長老は地図のある一点を指差した。
トーマスは地図を見ながら、城や町、村の場所を教えていく。
ドークは森から隣国への抜け道を指でなぞっていく。
指が止まった所には大きな川があった。
「ここに橋がある。それを渡ればテスターナだ」
長老は難しい顔をした
「この橋が一番の難所じゃな。大臣の事だ、兵を置いておるはずじゃ。
抜け目のないやつだからの」
長老は大臣の顔を思い浮かべた。
「おじいちゃん大臣の事、知ってるの?」
クリアが尋ねる。
「うむ。昔は門番じゃったがの。抜け目のないやつで上へ取りいって、出世していったんじゃ。かなり悪どい手も使うての。
クリアくれぐれも無理せんようにの。もし兵がいたら時を待つんじゃぞ」
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