長編小説

□大人と子供
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「朝だよー」
新八は慣れた調子で襖を開けると、そのまま事務所まで歩いて行く、襖の中では、まだ眠たそうに目をこする神楽がゆっくりと起き上がった。

「むー、もう朝アルか…、昨日女性セブン遅くまで読み過ぎたね」
ふぁぁと大きい欠伸を一つすると、寝癖だらけの頭をボリボリ掻きながら床に降りた。
事務所では、「もー、また銀さんソファーで寝て、邪魔だから起きて下さいよ」
「うっせーなー、昨日遅かったんだよ、もう少し寝かせてくれよ」
「銀さん飲み過ぎですよ、この前も酒飲んでそのままソファーで寝てたじゃないですか」
まったくもー、と諦めたような声が聞こえる。
「神楽ちゃんも、早く顔洗って来てよ、ご飯にするから」
「んー」と、気のない返事をしながら、簡単に身支度を済ませ事務所に入る、既に新八と銀時は朝ご飯を食べながらTVを見ていた。
神楽が「いっただきますよー」とご飯をかっこみだすと、TVを見ていた新八が、ふと、そういえば…と、最近この辺りで流れている噂を話し出した。
何でも、見るからに胡散臭いオッサンが、不思議な物を売りつけてくるとの事。
「そんな見るからに怪しいヤツから、胡散臭ぇモン買うバカいねぇだろ」
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