詩2

□四秒
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体中から噴き出してきた汗。
―――ポタリ。
地面に水滴ができる。
はたしてこれは汗なのであろうか。
体がすごく重い。
今にも地面に倒れこみそうだ。
見えるものすべてが色あせている。
これは自分の目が悪いのか、それとも世界が色あせたのか。
―――ポタリ。
地面に落ちていく、"あか"。
これはだれの"あか"なのか。
―――ポタリ。
地面に落ちていく、腹から出てきた"あか"。
ああ、私の"あか"だったのか。
体が傾いていく。
ああ、私はここでもう終わりなのか。
地面に体が近づいていく。
どこまで時間の流れが遅いのだろう。
―――バタリ。

ほんの四秒間のできごと。
(さようなら、また会えるときを願って。)






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