短編

□甘い闘病生活
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「静蘭、お前…体調悪いのか?」

「は?」



邵可邸の壊れた壁を修理していると、燕青が静蘭の顔を覗き込むように見て言った。

もともと肌の色が白い静蘭だったが、燕青からして見れば今日は頬が異様に赤いような感じがした。



「なんか頬が赤いような気がするしさ」

「お前の目が悪いんじゃないのか?」



静蘭は顔を近づけてくる燕青を押し退けて、再び崩れた土塀に土を塗っていく。

しかし、ピタリと静蘭の手が止まり、ヘラがカランと音を立てて落下する。ふらっと倒れそうになる静蘭を燕青が慌てて支えた。



「やっぱり体調悪いんじゃねぇか」



燕青が静蘭のおでこに手をあてると、明らかに熱があり、体もとても熱かった。心なしか息も荒い。



「だ…いじょうぶ…だ…」

「どこか大丈夫なんだ?病人はおとなしく寝てろ」



燕青はふらつく静蘭をお姫様だっこすると、そのまま邸の中へ入っていく。

今は秀麗も賃仕事に行っているし、邵可も昨夜から府庫で泊まりこみで誰もいない。それにも関わらず、静蘭はお姫様だっこがかなり恥ずかしいらしく、降りようと抵抗した。



「降ろせっ!!バカ…何やってるんだ、こめつきバッタ!!」

「そんな体じゃ歩けないだろ。おとなしくしてくれねぇか?お姫様……」



そう言って静蘭のおでこに触れるだけの口づけを落とす。静蘭は一瞬の出来事に唖然として、固まってしまった。

燕青は今のうちだとばかりに、走って静蘭の室へ連れて行った。







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