短編

□再会
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皆が寝静まったの夜、静蘭は自分の室で綺麗な満月を眺めながら、軽く月見酒をたしなんでいた。


するとコンコンと扉を叩く音がした。


もちろん静蘭には扉の向こうの人物が誰だか分かっていたので、無視をきめこむ。しかし、その人物はおかまいなしに室に入ってくる。



「静蘭〜、起きてんだろ?おっ…月見酒かぁ〜」



静蘭の室に侵入してきた人物、燕青は何食わぬ顔で静蘭の隣に座った。そして、静蘭の杯を奪うとゴクリと自分も酒を堪能する。



「勝手に飲むなっ!?まったく…何しにきたんだ?」

「夜這い……」



燕青の一言で静蘭のこめかみには青筋が浮かぶ。

深夜なので大声を出すわけにはいかず、フルフルと拳を震わせ怒りに耐えていた。



「死にたいのか?死に急ぐなら私が手伝ってやろう」

「じょーだんだって!?」



燕青は静蘭の低く抑えた声音に背筋がゾクッとするのを感じた。暗い室の中で静蘭の迫力も倍増だ。



「ほら、姫さんの饅頭…機嫌直せって」

「………」



燕青はにこにことお饅頭の包みを広げる。一方、静蘭はそんな燕青をただ横目で睨んでいた。







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