短編
□のどかな昼下がり
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ある日の昼下がり、劉輝は執務室で1人で大量の書翰に埋もれていた。
この時間は側近である楸瑛も絳攸もいない。
ここでいつもなら『秀麗のとこに遊びに行こうかな〜』とか考える劉輝だが、この時は違った。劉輝は大量の書翰に1つずつ目を通しながらも顔はニヤついている。
一区切りついたのか時計をチラリと見やりながらふぅと一息つく。
すると、執務室の扉をコンコンと叩く音がした。
《来た━━━━ッ!!!!》
劉輝はルンルンでスキップしながら扉に向かった。そしてガチャリと劉輝が扉を開けて出迎える。
目の前に佇む青年を確認するや否や満面の笑みが溢れた。
「さぁ、どうぞ!!兄う……んぐッ」
中へ招き入れようとした瞬間、劉輝は口を抑えつけられて、物凄い速さで部屋に押し込まれた。
バタンと大きな音をたてて扉が閉まる。
「兄上はやめなさい」
執務室に入って来た青年、静蘭はピシャリと言い放った。それでも劉輝は小さな声でポソリと反論した。
「で、でも…この時間は誰も来ませんよ?」
「そういう問題ではない。それなら私も敬語になりますよ?」
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