短編
□スレチガイ
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そうやって割り切れないくせにデカイ野望を持っててるとこも。
そんなロイだからこそ俺の気持ちを分かってくれるのかもしれないケド。
俺たちは常に心の奥底に暗い闇を持ってる。俺はいつもそれをロイに癒してもらってる。
俺がもらってばかっり。
こんなの等価交換の原則に反するから自分としては気にくわない。
「エドワード?」
ぼぉっと自分の意識の中で考え込んでいたため、不自然に黙り込んでたらしい。ロイが怪訝な顔付きで覗きこんでくる。
「俺、本当は━━━たんだぜ?」
「えっ?」
「すっごい心配したんだよ!!バカ…」
俺はとうとう言ってやった。ロイはかなり驚いてるみたいだけど。
「ロイがいなくなったらどうしようかと思って、いてもたってもいられなくなって…」
「………」
俺はたまらずロイに抱きついた。ロイは黙って俺の頭を撫でてくれた。何だかんだ言って素直になれないけど、俺はロイがいなくちゃダメなんだよ。
「ロイまでいなくなったら、俺…」
「私はいなくならないよ…エドワードをおいて死んだりしない」
歯の浮くような甘いセリフだったけど、この時の俺には1番嬉しい言葉だった。
それにアイツの胸の中は安心する。
「どうしたら俺はロイのためになれる?」
俺はロイに単刀直入に聞いてみた。俺はこんなにロイに安心感をもらってるのに…
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