弦で繋ぐ、固く脆く

□BATTLE EFFECT
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「なぁ…千沙、家着いたら話したいことがあ…」


グルグルルルゥゥゥ



「あ、ごめん!お腹鳴った。話したいこと?なによ、あらたまって」



「いろいろあるんだ。今日のこととか…」



「……ねぇ、その…マナミさんって人に何されたの?私のせい?」



「千沙のせいじゃないよ。ほれ、着いたから」






「おじゃましますー」




ニャー
ニャー
ンニャー


「いやーん♪猫さん!こんにちはー」



「おまえらあっちいってろ!俺は大変なんだからさー」



「いいじゃん♪ねーっ♪」



「とりあえず部屋行ってて。なんか持ってくから」



「うん!」









キィィ…




大士の部屋は相変わらず汚いなー

ふとんひきっぱだし

プリントとか出しっぱだし

ギターもごちゃごちゃに置いてるし






あ、大士の中学卒業アルバム


……見ちゃおっかな







うわー

中1の時の大士かわいいー♪

昔から綺麗な顔してるんだねー






「千沙ー持ってきた……あ!」


「あ!見ちゃった」


「……もーう、いいけどさー」



パラッ――


「…写真?…………………え?」


「あ…それはダメだ!!」





その写真は大士と女の子が一緒に手を繋いでいる写真だった


裏には
記念日 平成9年2月26日

と書かれている



「彼女?」


「だった人。」


「どのくらい付き合った?」


「1年間。中3まで」


「ふーん」



いたよね

こんなにカッコイイんだもん

いないはずがない




「ねぇ、千沙…今から言うことよく聞いて」


「うん??」


「この写真の女の子は、俺が初めて好きになった人なんだ」


「……そうなんだ」


「だけど、ある時全く好きじゃなくなった。理由は自分でもわかんない。だから運命じゃなかったと思ってる」


「運命じゃなかった?」


「そう。だけど俺は高校に入って、大好きな人ができた。一生一緒にいたいんだ。その人が他の男と付き合っても、結婚したとしても俺はその人を一生好きでいたい」


「………誰?」


「まだ言えない」


「……そっか」


「その写真かして」



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