弦で繋ぐ、固く脆く
□BATTLE EFFECT
1ページ/3ページ
「なぁ…千沙、家着いたら話したいことがあ…」
グルグルルルゥゥゥ
「あ、ごめん!お腹鳴った。話したいこと?なによ、あらたまって」
「いろいろあるんだ。今日のこととか…」
「……ねぇ、その…マナミさんって人に何されたの?私のせい?」
「千沙のせいじゃないよ。ほれ、着いたから」
「おじゃましますー」
ニャー
ニャー
ンニャー
「いやーん♪猫さん!こんにちはー」
「おまえらあっちいってろ!俺は大変なんだからさー」
「いいじゃん♪ねーっ♪」
「とりあえず部屋行ってて。なんか持ってくから」
「うん!」
キィィ…
大士の部屋は相変わらず汚いなー
ふとんひきっぱだし
プリントとか出しっぱだし
ギターもごちゃごちゃに置いてるし
あ、大士の中学卒業アルバム
……見ちゃおっかな
うわー
中1の時の大士かわいいー♪
昔から綺麗な顔してるんだねー
「千沙ー持ってきた……あ!」
「あ!見ちゃった」
「……もーう、いいけどさー」
パラッ――
「…写真?…………………え?」
「あ…それはダメだ!!」
その写真は大士と女の子が一緒に手を繋いでいる写真だった
裏には
記念日 平成9年2月26日
と書かれている
「彼女?」
「だった人。」
「どのくらい付き合った?」
「1年間。中3まで」
「ふーん」
いたよね
こんなにカッコイイんだもん
いないはずがない
「ねぇ、千沙…今から言うことよく聞いて」
「うん??」
「この写真の女の子は、俺が初めて好きになった人なんだ」
「……そうなんだ」
「だけど、ある時全く好きじゃなくなった。理由は自分でもわかんない。だから運命じゃなかったと思ってる」
「運命じゃなかった?」
「そう。だけど俺は高校に入って、大好きな人ができた。一生一緒にいたいんだ。その人が他の男と付き合っても、結婚したとしても俺はその人を一生好きでいたい」
「………誰?」
「まだ言えない」
「……そっか」
「その写真かして」
.