Short book

□復活家族×メイド
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"天然再来!"夢主(山本雪希)→10年後(22歳)
現在ボンゴレにて山本武の補佐を勤めながら働いている。
しっかり者だが小学生と同じく天然度は変化なし。兄と共に黒い一面もあり。



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『雪希様、お帰りなさいませ』
「サクヤさん、ただいまあー!綱吉さんいますか?」
『執務室にいらっしゃいますよ』


暖かい笑顔で迎え入れたサクヤに、疲れ果てた様子で任務から帰ってきた雪希はふにゃりと笑顔を浮かべた。
早々に報告書を提出するのかボスである綱吉が黙々と仕事しているであろう執務室にふらふらとしたおぼつかない足取りで向かう。


『雪希様、よろしければお荷物を』
「ありがとうございます……もう眠くて眠くて…」
『久しぶりの長期任務でしたからね。報告が終わればごゆっくりお休みください』
「そうさせていただきます……綱吉さん、雪希です」


執務室の扉をノックすると「どうぞ」と綱吉の声が答えた。
断りをいれて入る雪希に続いて入る。


「サクヤ、丁度よかった…!」
『どうかなさったのですか?』


情けない声をだして縋り付いてきそうな綱吉に首を傾けると、仕事が終わらず挫けそうになっているようだった。
綱吉が座っているソファの向いには雪希の実兄である武がいた。


「お兄ちゃん!お兄ちゃんも報告?」
「よう、雪希!久しぶりなのな!」
「綱吉さん、これ今回の報告書です。確認お願いします」
「うん、お疲れ様」


渡された書類を確認する綱吉は、ふと顔をあげて申し訳なさそうに眉根を下げ、武の隣に腰掛けて楽しそうに会話している雪希を見た。


「帰ってきて早々悪いんだけど、もう一つ任務任せたいんだけど」
「ええッ!」
「ツナ、どうかしたのか?」
『急ぎの任務は入っていなかったはずですが』


大体のスケジュール管理はサクヤがしているため、サクヤが知らないはずはないのだ。


「それが、さっき骸が自分の任務放ぽって私用で出て行っちゃって…」
『六道様が…?』
「幸い、他の任務は急ぎじゃなかったから骸の部下に任せたんだけど…こればっかりは幹部クラスじゃないとダメで」


もう眠気が限界の雪希は、どうしようかと迷っている。
普段なら即決するのだが、いかんせん頭が眠い。


『ボス、六道様に確認が取れました。あの方は現在"世界ショコラ展"に出かけられております』
「ショコラ展…?何ですかそれ」
『世界中のショコラティエが集まって行わられるチョコレートの博物館のようなものですよ。チョコ好きのあの方なら納得ですが』


呆れた溜息をつくサクヤは、ひやりとした空気が肌を刺すのを感じた。


「チョコレート…?人に任務を押し付けといてあの人はチョコレートを楽しみに行ってるんですか…」
「あの房むしり取るのな」
「手伝うよお兄ちゃん」


今までのどんな笑顔よりも輝いて見えた。
二人の旧友、綱吉はそう言った。
そして後日、ガクガクと震えている骸がボロボロになって帰ってきたらしい。


「ににににに二度と勝手な真似はしませから許してくださいいいいい((((;゚Д゚))))」




- end -
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