溢れいずる思い

□其の七
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《…わかった頼む…》
「ああ…」
《……一つだけ頼みがある》
「なんだ?」
《雪が目を覚ましたら‘おかえり’と言ってくれ》
「?」
《雪はその言葉がとても好きだから…》
「わかった。」

その後二人は大慌てで出て行く

俺は雪音の側に行く
少し離れた所に不格好に畳まれた着物と歪に丸められたサラシが重ねて置かれていた。

―サラシ丸めるのはただでさえ難しいからな…

俺はそう呟きその2つを直す事にした。

直し終わってしばらくして…
『…うっ…』
うめき声を上げて雪音が目を覚ました

「雪音…」
『…は…じめ…さん?』
「……おかえり」
俺がそう言うと一瞬きょとんとした後

『ただいま』
と眩しいくらいの満面の笑みで言ってくれた

―か、可愛い(////)

「大丈夫か?」
『ごめんなさい…』
「何故(なにゆえ)謝る?」
『騒ぎを起こした上に後始末させてしまって…』
「気にするな…」
俺がそう言って頭を撫でると困ったように笑う
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