溢れいずる思い

□其の参
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しばらくしておもむろに団子に手を伸ばし食べた雪人

その顔は苦しげで…味覚を感じていないのが分かった…

『…………』
「…………」
沈黙が二人を支配する…

そこへ…

「「「月城様〜vv」」」

若い女子(おなご)達がそれぞれ和菓子の包みを持ってやって来た

「「「これ食べてください!…失礼しました(////)!」」」

押し付けるように渡して足早に去って行く…

その後ろ姿を見送る雪人の表情は悲しげだった…

「……まだ痛いですか?」
『……ああ…』
すまなそうに包みを見つめる

『どの包みも朝早く並ばないと買えない人気店ばかりだな…今の僕が食べるには勿体無い…』


その後山崎が会計を済まして二人は頓所に帰った

その後…

「雪人…」
『一殿…』
廊下を一人歩く雪人に声を掛けると困ったような顔をして振り向いて来た

『先ほどはつまらない話を聞かせて悪かったな…』
「……いや…」

―やはり気付いていたか…
むしろそれより避けられた事について聞きたい…


そこへ…

「あっ!一君、雪お帰り!」
『ただいま…』
平助が笑顔で話し掛けて来た
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