溢れいずる思い

□其の壱
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―昼頓所

最近雪人の様子がおかしい

「雪人…」
『一殿…すまないこれから情報収集に行くんだ』
そう言って走って去ってしまった
前方に山崎が待っているのが見える

「………」

最近はこんな調子だ
何故か避けられている気がする…

俺はため息をつくと原因を探るため朔弥の元に向かった




程なくして離れの掃除をしている朔弥を見つけた。

「朔弥…」
《斎藤…何か用か?》
返事は素っ気ないながらも作業を中断し顔をこちらに向けてくる
「雪人何かあったのか?」

《いや…俺もよくわからないんだ》
「そうか…」
《だが3日ほど前夜中に目を覚ました時気がかなり乱れていたのが気になる…》
「悪夢でもみていたのか?」
《おそらくな…譫言で晃(あきら)昴(すばる)と言っていた。》
「!?そいつらは一体」
《それは……!?すまんそれ以上は言えない》

「何故だ?」
《広也兄上に口止めされているそれに…》
「それに?」
《雪人はその二人の事で深く傷ついていてその二人の事を思い出すといつも気が乱れる》
「……」
《出来るなら忘れさせてやりたいんだ…だが…》
そう苦しげに言って俯く
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